フランスの特徴
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 フランスの概要
フランスは、西ヨーロッパ西部に位置する共和制国家です。北東にベルギー、ルクセンブルク、東にドイツ、スイス、南東にイタリア、モナコ、南西にアンドラ、スペインと国境を接し、西は大西洋に、南は地中海に面しています。また、北海のドーバー海峡を隔てて北西にイギリスが存在します。海外領土でもオランダ、スリナム、ブラジルと陸上国境を接しています。首都はパリです。欧州連合加盟国であり、国連安保理常任理事国です。
 気候
フランスの気候は大陸性、海洋性、地中海性の気候区に分割されます。海洋性気候は国土の西部で見られます。気温の年較差、日較差とも小さいです。気候は冷涼であるが、寒くなることはありません。国土を東に移動するにつれて気候は大陸性となっていき、気温の年較差、日較差が拡大していくと同時に降水量が上昇していきます。本来の大陸性気候は東ヨーロッパ、つまりポーランドやルーマニアが西の限界であるが、フランス東部の高地、特にアルプス山脈の影響によって、大陸性気候が生じています。地中海性気候は国土の南岸で際立ちます。気温の年間における変動は3種類の気候区のうち最も大きいです。降水量は年間を通じて少ないです。
 政治
現在のフランスは、直接選挙で選ばれる大統領に首相の任免権や議会の解散権など強力な権限が与えられ、立法府である議会より行政権の方が強い体制が敷かれています。このため、先進国の中でも日本などと並んで官僚機構が強いと言われることが多いです。イギリスのエコノミスト誌傘下の研究所エコノミスト・インテリジェンス・ユニットからは「欠陥のある民主主義」とされています。 また、大統領が任命する首相は、大統領にも議会にも責任を負っており、共に行政権を持ちます(半大統領制)。このため、大統領の所属政党と議会の多数派勢力が異なる場合、大統領自身が所属していない議会多数派の人物を首相に任命することがあります。この状態をコアビタシオンと呼びます。こうした場合、大統領が外交を、首相が内政を担当するのが慣例となっているが両者が対立し政権が不安定になることもあります。 議会は二院制を採用し、上院に当たる元老院と、下院にあたるフランス国民議会があります。元老院は間接選挙で選出され、任期は6年で3年ごとに半数を改選されます。国民議会は直接選挙で選出され、投票に際して小選挙区制と二回投票制が定められています。優先権は国民議会にあり、元老院は諮問機関としての色彩が強いです。
 経済
2010年のフランスのGDPは2兆5554億ドル(約210兆円)であり、アメリカ、中国、日本、ドイツに次ぐ世界第5位です。観光客入国数では世界一、農産物輸出額では世界第2位を占めます。農業は生産額世界第6位と依然としてフランスにおける重要な産業であり、EU諸国中最大の規模を誇っています。
 国民
欧州最大の多民族国家であるフランスでは、本土ではケルト人・ラテン人・ゲルマン系のフランク人などの混成民族であるフランス人が大半を占めます。基本的にはラテン化したケルト人を少数のゲルマン人が征服して成立した国、と見なすことが多いが、今も議論の的です。世界、特に欧州では混成民族でない国民はほとんど存在しないとはいえ、たとえばドイツ人がゲルマン人を主流としていることに異論は少ないのに対し、フランス人はそうした主流を挙げることが困難なほどに三つの系統が拮抗しているのが特徴です。また、本土でもブルターニュではケルト系のブルトン人、スペインとの国境付近にはバスク人、アルザスではドイツ系のアルザス人などの少数民族が存在します。また、コルシカ島もイタリア人に近い民族コルシカ人が中心です。一方、西インド諸島やポリネシアの海外県や海外領土では非白人の市民が多いです。
 言語
現行の憲法第二条によると、1992年からフランス語はフランスの唯一の公用語です。ただし、オック語などの幾つものロマンス語系の地域言語が存在するほか、ブルターニュではケルト系のブルトン語(ブレイス語)、アルザスではドイツ語の一方言であるアルザス語、コルシカではコルシカ語、海外県や海外領土ではクレオール諸語など77の地域語が各地で話されています。近年まで、フランス政府と国家の教育システムはこれらの言語の使用を留めてきたが、現在は様々な度合いで幾つかの学校では教えられています。その他にも移民によってポルトガル語、イタリア語、マグレブ・アラビア語、ベルベル諸語が話されています。フランス語は、フランスのみならず、旧植民地諸国(フランス語圏)をはじめとした多くの諸国で広く使用されている言語です。フランスは、点字が生まれた国でもあります。
 教育
2歳から5歳までの就学前教育の後、6歳から16歳までの10年間が無償の初等教育と前期中等教育期間となり、6歳から11歳までの5年間がエコール・プリメール(小学校)、その後4年間がコレージュ(中学校)となります。前期中等教育の後3年間のリセ(高等学校)による後期中等教育を経て高等教育への道が開けます。2003年の推計によると、15歳上の国民の識字率は99%です。 高等教育機関には一般の総合大学や単科大学の他にグランゼコールと呼ばれるエリート学校があり、代表的な高等教育機関としてはパリ大学(1211年)、モンペリエ大学(1289年)、エクス=マルセイユ大学(1609年)、ストラスブール大学(1631年)、リヨン大学(1809年)、パリ・カトリック大学、エコール・ノルマル、エコール・ポリテクニーク、パリ国立高等鉱業学校、エコール・サントラルなどが挙げられます。 フランスでは、コミュニケーションを重視した国語教育が、小学校での最重要の教育目標になっています。また、一部のエリート大学やグランゼコールを除き、リセ卒業時に行われるバカロレアに合格すれば任意の大学に入学できる代わり、進級認定は厳格です。
 宗教
宗教面では、国民の約7割がカトリックといわれています。カトリックの歴史も古くフランス国家はカトリック教会の長姉とも言われています。代表的な教会はノートルダム大聖堂、サン=ドニ大聖堂などが挙げられます。パリ外国宣教会はその宣教会です。フランス革命以降、公共の場における政教分離が徹底され、宗教色が排除されています。 近年旧植民地からの移民の増加によりムスリム人口が増加し、知事も生まれました。フランスではフランス革命以来の伝統で政教分離(ライシテ)には徹底しており、2004年には公教育の場でムスリムの女子学生のスカーフをはじめとしてユダヤ教のキッパなど宗教的シンボルを禁止する法案が成立し、フランス内外のムスリムやユダヤ教徒から反発されています。一方でいくつかのキリスト教的シンボルはすでに一般化していて宗教的シンボルに値しないと許容されているため、宗教的差別であるという意見もあります。
 文化
文豪スタンダール、オノレ・ド・バルザック、ヴィクトル・ユーゴーをはじめ中世より文学が発達しており、音楽も盛んです。絵画やファッションの分野では数世紀の間欧州世界をリードする地位にあると言われ、近年においてもファッションにおいてはイタリアと並び世界をリードする地位にあります。また、長年芸術面で欧州世界をリードする地位にあることから、パリを中心に多くの諸外国の芸術家やクリエイターを引きつけています。特に画家は多いが、音楽でもドイツ人であるグルック、オッフェンバック、マイヤベーアがパリを拠点とするなど、多くの外国の才能を吸引しました。
 
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